October 29, 2009

 久しく眠れない夜。

 気付かないうちにうつらうつらとして。

 そして、私は夢の中であくまと話していた。

 あくまはハーフみたいで色黒で、かっこよかった。私は高校生くらいの姿をしていた。

 あくまは長生きだ。死なないし、望めば何でも叶うんだろうなぁ。それって幸せなんだろうなぁ。と、私は思った。私なんて……と言いかけた所で、あくまは首を横に振って、違うんだよ、というような顔をした。

 「生きるってことは大変なんだぜ。分かるかい。それを解消するのは、想像出来るモノなんかじゃない」

 私は、あぁ、おきまりの説教がはじまるのだなと、思った。そういう時、私は自分が小さい頃の自分に戻った気分になる。小学校の2年生に上がったばかりの頃、何をやっても父にしかられていたような気がした。その頃の自分に姿が変わっていき、あくまの視線が高く、遠くを見つめているように感じた。

 「真実が何であろうと、何処に有ろうとも、理解してくれる相手が一人いればいい。それを支えにして、多くの嘘や矛盾と向き合っていける」

 「生きていくというのは、無秩序な暮らしの中にあって、希望と信念で出来た自分のルールを通して世界を見るということさ。それを遵守すると自分自身に誓うことさ」

 わたしは、あぁ難しいことをあくまが言っていると思った。ルールって何だろう。ルールと言えば、わたしには時間を守ることと、嘘をつかないことと、友達となかよくすること、だった。あくまはわたしを見て、すこしだけ笑った。いいねそれ、とあくまは言った。

 「その誓いを知っていてくれることが、思いやりや愛情なのだろうと思う。そんな相手を探しているんだよ」